tel.06-6645-1016 Web予約

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎とは

アトピー性皮膚炎は、かゆみを伴う湿疹が悪くなったり良くなったりを繰り返す、慢性の炎症性皮膚疾患です。

乳幼児期に発症し小児期に寛解する場合もあれば、悪化を繰り返し成人まで症状が持続する場合もあります。また、成人期に初発する患者さんも増えています。

症状

かゆみのある湿疹が左右対称に分布します。
急性の病変は下記がみられます。

  • 赤み:紅斑(こうはん)
  • ぶつぶつ:丘疹(きゅうしん)
  • かさつき:鱗屑(りんせつ)
  • かさぶた:痂疲(かひ)
  • ジュクジュクやただれ:滲出液(しんしゅつえき)やびらん

慢性になると、皮膚が茶色くなったり、厚く硬くなったりします。掻くことで悪化しやすく、年齢によって症状の出やすい部位が異なります。

乳児期

顔・頭に始まり、脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)と区別がつきにくいこともありますが、次第に体幹・腕・脚にも広がります。

小児学童期

皮膚全体が乾燥して、首や手首・ひじの内側・ひざのうら・わきなど関節部に湿疹が多くみられます。耳たぶの亀裂(きれつ)(耳切れ)もよくみられます。

思春期・成人期

顔・首・背中や胸といった上半身に症状が多く、全身性の場合もあります。暗褐色で乾燥したきめの粗い皮膚になったり、腕や脚に1cm大ほどのかゆみの強い硬いぶつぶつができたりすることもあります。

原因

①皮膚のバリア機能障害、②アレルギー炎症、③かゆみの3つの因子がお互いに関わりながら、悪循環をきたすことで発症しするといわれています。

①皮膚のバリア機能障害

症状の悪循環の中心となっています。角層は皮膚の最外層に存在する薄い膜で、十数層の角質細胞とその間をうめる角質細胞間脂質により構成され、体内の水分の蒸発を防いだり、外部からの異物の侵入を防いだりする役割があります。

アトピー性皮膚炎では、角質細胞間脂質の低下や、フィラグリン(角質細胞内にある天然保湿因子の元となるタンパク質)の遺伝子異常により、バリア機能が障害され、様々なアレルゲンや物理的な刺激の影響を受けやすくなり、アレルギー感作や皮膚の炎症を起こしやすくなります。

②アレルギー炎症

炎症は、アレルゲンなどの刺激を受け、身体がそれに対して過剰に反応することで生じます。

アトピー性皮膚炎の主症状である皮膚の炎症は、免疫細胞が産生する「サイトカイン」(細胞間の情報伝達を担うタンパク質)であるインターロイキン(IL)-4、IL-13、IL-31などが関わり、過剰な免疫反応が起こるために引き起こされます。

③かゆみ

かゆみがあるために湿疹部を掻くと、さらに炎症が悪化したり、バリア機能を低下させたりして、余計にかゆみが強まるという悪循環(イッチ・スクラッチ・サイクル:かゆみと掻くことの悪循環)になります。

体質的要因

アトピー素因(①家族や自分が気管支喘息、アレルギー性鼻炎・アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎のいずれかあるいは複数にかかったことがある、②アレルギー反応に関与する抗体である免疫グロブリンのIgE抗体を血液中に産生しやすい体質)を持つことが多いとされています。

外的要因

ハウスダスト・ダニ・花粉・カビ・動物などのアレルゲン、温熱、汗や唾液、掻破(掻くこと)、食物、細菌など、多種のものが症状を悪化させる因子となります。

治療

アトピー性皮膚炎の治療は、「薬物療法」、「スキンケア」、「悪化因子の対策」の3本柱になります。

外用療法(塗り薬の治療)

炎症やかゆみを抑える塗り薬の抗炎症外用薬には現在4種類あり、いずれも過剰な免疫反応を抑えます。

ステロイド外用薬

免疫反応を抑える働きがあり、強い炎症をともなう皮膚炎には第1選択となる塗り薬です。

タクロリムス軟膏

細胞内の信号を伝達するカルシニューリン(酵素)を抑える働きがあります。刺激やほてりを感じることがあります。

ジファミラスト軟膏(PDE4阻害外用薬)

PDE4は身体の細胞に存在する酵素で、炎症を抑えるシグナルを分解してしまいます。アトピー性皮膚炎の炎症細胞ではPDE4が増えており、この働きを抑えることで炎症を抑えます。

タピナロフクリーム(AhR調節薬)

芳香族炭化水素受容体(AhR)を活性化することにより、炎症を引き起こすサイトカインを減らし、抗酸化作用をもたらすことで、皮膚の炎症を抑制し、皮膚バリア機能を改善します。

度々再燃を繰り返す場合には、症状が改善したら治療を中止し、再燃するごとに治療を再開するリアクティブ療法ではなく、プロアクティブ療法をおすすめします。

前述の抗炎症外用薬で症状が十分に落ち着いたら、保湿剤によるスキンケアを毎日続けながら、抗炎症外用薬を間欠的に(2~3日に1回ほど)塗布して再燃を防ぎ、安定した状態を維持するのがプロアクティブ療法です。

全身療法(飲み薬や注射による治療)

抗ヒスタミン薬の飲み薬

掻いて皮膚が傷つき症状が悪化するのを防ぐため、塗り薬の治療と一緒に抗ヒスタミン薬(かゆみを引き起こすヒスタミンを抑制する)を用いることがあります。

ステロイドの飲み薬

急な症状の悪化がみられた場合に、ごく短期間に限定して用いることがあります。

シクロスポリン(免疫抑制剤)の飲み薬

強い炎症をともなう湿疹が広範囲に出ている重症の患者さんに用いることがあります。投与期間は3ヵ月以内とし、血圧上昇や腎臓の機能低下に注意が必要です。

生物学的製剤の注射薬

炎症の原因となるサイトカインであるインターロイキン(IL)の過剰な働きをピンポイントで抑える、バイオテクノロジー技術で作られた抗体製剤です。

塗り薬や飲み薬の治療で十分な効果が得られなかったん患者さんがに投与でき、抗炎症外用薬による塗り薬の治療も一緒に行う必要があります。

当院では、おもに炎症の原因となるIL-4とIL-13の両方を抑えるデュピルマブ、かゆみの原因となるIL-31を抑えるネモリズマブによる治療ができ、自己注射に切り替えて頂くことも可能です。

※JAK(ヤヌスキナーゼ)阻害薬の飲み薬は、当院では扱っておりません。

薬物以外の全身療法

紫外線療法

抗炎症外用薬や抗ヒスタミン薬、保湿外用薬による治療で軽快しない場合や、これまでの治療で副作用が出ている場合に行うことがあります。

紫外線には皮膚の免疫に関係する細胞の働きを抑える作用があります。

エキシマライト照射療法

当院では、紫外線のUVB(中波長紫外線)のなかでも、より治療効果の高い308ナノメートルのUVBのみを病変に限定して照射するエキシマライトによる治療を行っており、「エキシプレックス308」を採用しています。

スキンケア

保湿外用薬を塗ることで、角質の水分含有量を改善して、皮膚バリア機能を回復・維持し、炎症やかゆみを出にくくする効果があります。そのため、炎症が寛解した後も保湿外用薬を続けて塗ることは、再燃予防になります。

正常に見える部位も含めて全身に、1日2回朝・夕(入浴直後)塗布するのが理想的です。
入浴・シャワー浴により皮膚を清潔に保つことも大切です。
お湯の温度が高すぎると、皮脂や天然保湿因子が溶け出し、かゆみも出やすいため、38~40℃くらいがよいとされています。

石鹸・洗浄剤は、低刺激性で洗浄後の乾燥が強くないものを選び、十分にすすぎ、乾燥が強い部位には使用を控えましょう。 

悪化因子の対策

具体例の一部として、以下のようなものがあげられます。

  • 室内を清潔に保ち、肌に触れる寝具はこまめに洗濯する
  • ペットを洗い、寝室には入れない
  • 花粉をなるべく自宅に持ち込まない(帰宅時衣類の花粉を払い落とす、帰宅後すみやかに洗顔・入浴する、洗濯物は屋内に干すなど)
  • 刺激の少ない衣服を選ぶ(ウールなどのチクチク、ゴワゴワする衣類を避ける)
  • 汗をかいたら、濡れたタオルなどで拭くか、シャワーを浴びて洗い流す
  • 掻いても皮膚に傷がつきにくいように、爪を短くしておく
  • 髪の毛先が当たってかゆくならないように、髪の毛を短くしたり束ねたりする

アトピー性皮膚炎の治療ゴールは、実際のところ、患者さん一人ひとりの考え方やライフスタイルにより異なると思います。

まずは症状が軽く、日常生活に支障がない状態をめざし、それを維持することを目標とし、患者さんが苦痛を感じることなく治療を続けられることが大切だと考えています。

一覧に戻る

所在地

〒556-0011
大阪府大阪市浪速区難波中1丁目6-8
Osaka Metroなんばビル2F

アクセス

  • Osaka Metro御堂筋線なんば駅6番出口から
    直結徒歩1分
  • 南海電鉄なんば駅から徒歩2分
  • JR難波駅から徒歩5分
診療時間 土日祝
9:00~12:30 -
13:30〜17:00 - -

※受付は診察終了30分前まで
※休診日:土・日・祝